日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 15-19
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一般演題
膠原病性肺高血圧症に対するエポプレステノール療法の有用性に関する研究
*諏訪 昭鈴木 康夫金子 祐子佐藤 慎二桑名 正隆平形 道人佐藤 徹
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抄録

【目的】膠原病性肺高血圧症(CPH)におけるエポプレステノール(EPO)療法の有効性と安全性の検討を目的とした.【対象及び方法】EPO療法が導入されたCPH 13例を対象とし,症状,検査所見,血行動態,運動耐用能,有害事象を解析した.【結果】対象は全例女性で(年齢42.2歳,膠原病罹病11.0年,CPH罹病13.8月),診断はSSc 5例,MCTD 3例,SLE 2例,Overlap 2例,SjS 1例であった.全例NYHA III 度以上で,血清UA,BNPが高値を示した.抗核抗体は高力価で,5例で抗U1RNP抗体陽性であった.平均肺動脈圧(PAm)55.2mmHg,心拍出量(CO)2.6 L/min,肺血管抵抗(PVR)21.4 unitsを示した.ベラプロストナトリウム(N=11),シルデナフィル(N=2),抗凝固薬(N=9),利尿薬(N=9),ステロイド薬(N=8),酸素(N=8)が前投与されていた.有効性評価症例(N=9)では,PAm低下(31.0%),CO上昇(43.3%),PVR低下(50.7%)など心血行動態と,BNP値,NYHA分類が改善し,7例(78%)が有効であった.最高酸素摂取量を測定した3例では運動耐用能は改善した.導入直後死亡例(N=3)のうち2例の死因は心不全で,重篤な副作用はなかった.【結語】CPHにおけるEPO療法の有用性が示された.

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© 2006 日本臨床免疫学会
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