主催: 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
乾癬性関節炎(PsA)は欧米に比し比較的まれであるがseronegative RAなどとして見逃しいることがある。本院では最近興味あるPsAを5例経験したので報告する。症例は男女比3:2で年齢は現在30?72歳。第1例は若い女性で、乾癬の皮疹があり診断は容易であった。第2例はRAの関節炎があり、seronegative RAと診断していたが、頭髪の生え際にはじめて皮疹が出現し診断できた。第3例は白人で脊椎炎と後で分かったが、seronegative RAと診断し、Etanercept開始する直前 肘に乾癬の皮疹が出現、予定どうり治療を続行した。劇的に効果があり社会復帰可能となった。第4例は乾癬の皮疹が10数年先行していたが、他院でRAと診断されていた。朝のこわばりがひどく早期社会復帰をめざしEtanerceptを開始し皮膚症状を含め劇的に効果があった。第5例は更年期の関節症状として経過観察していたが、両肘、両膝に乾癬が増悪し診断できた。第3,4例を除き他の例はMTX,SASPで軽快中である。本邦でもPsAの重症例に対しては生物学的製剤の適応を早期に認めるべきである。