日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 15-21
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一般演題
膝関節の非定型抗酸菌症を合併した多発性筋炎の一例
*菱山 美絵山田 秀裕尾崎 承一
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抄録

症例は46歳女性,平成4年(33歳時)他院にて多発性筋炎と診断。プレドニゾロン(PSL)40mg内服にて寛解.平成11年右膝関節炎あり関節穿刺液より非定型抗酸菌検出されイソニアジド(INH),ピラジナミド(PZA),リファンピシン(RFP)開始.RFPは湿疹のため中止.INH,PZA投与を受けたが耐性化しエタンブトール(EB)に変更,その後EBも中止.平成13年間質性肺炎合併にてシクロスポリン(CyA)200mg併用開始.平成15年7月,再度右関節腫脹が増悪したが関節穿刺培養陰性,PSL増量するも改善なし.平成16年1月当院初診.身体所見上は右膝関節腫脹,熱感,舌に白苔,筋肉痛なし.検査所見ではCK正常,赤沈,CRP陰性,KL-6,SP-D正常.多発性筋炎再燃の徴候は認められず.PSL,CyAを減量しつつ,関節穿刺培養を繰り返した.H16.5月,関節液よりM.kansasii検出.クラリスロマイシン(CAM),EB内服開始にて膝関節腫脹,疼痛改善.H17年2月には正座可能.H17年8 月CAM,EB終了.二次予防としてアジスロマイシン(AZM)継続中. 今回、免疫抑制剤使用下において関節炎の鑑別に難渋した症例として報告する.

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© 2006 日本臨床免疫学会
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