日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 15-25
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一般演題
難治性眼ベーチェットに対するインフリキシマブの使用経験:2例報告
*玉置 健一郎豆原 彰中澤 隆辻 剛森信 暁雄熊谷 俊一
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抄録

症例1:31歳 男性。17歳時に陰部潰瘍出現。その後、口腔内アフタ、ぶどう膜炎も出現しベーチェット病と診断された。コルヒチン、低容量アスピリン、ステロイド点眼、シクロスポリン(CyA)にて加療されていた。24歳時、眼発作により視力が右0.02、左0.1まで低下した。その後、年に数回眼発作が見られるも大きな視力低下無く経過したが、CyAによる髄膜炎様症状を2度生じたため同剤中止し、メソトレキサートへ変更した。その後、眼発作の頻度が増加し著明に視力は低下した。難治性眼べーチェットに対して、インフリキシマブを導入し、その後発作は認められなくなった。症例2:39歳 女性。30歳頃より両眼の視力低下が出現した。その後結節性紅斑、右前眼部ブドウ膜炎、口腔内アフタを認めたため、不全型ベーチェット病と診断した。コルヒチン、CyA、ステロイド内服にて加療していたが年に数回眼の小発作がみられ、視力低下もありステロイド内服増量で対応していた。38歳時に腎機能障害が出現したためCyAを減量したが、その後頻回に発作がみられるようになり右視力が0.2から0.07に著明に低下した。難治性眼ベーチェットに対して、インフリキシマブを導入した。投与後は発作を認めず視力も徐々に回復してきている。今回我々はインフリキシマブが有効であったベーチェット病の難治性ぶどう膜炎を2例経験したので若干の文献的考察を加え報告する。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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