日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 15-26
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一般演題
白血球除去療法と外科的手術が奏効した難治性腸管ベーチェットの1例
*豆原 彰信原 由実子中澤 隆辻 剛並木 充玉置 健一郎森信 暁雄熊谷 俊一
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抄録

症例は51歳女性。2002年、外陰部に排膿を伴う有痛性の潰瘍が出現。2005年6月より口腔内アフタ、両下腿の結節性紅斑が出現し、不全型ベーチェット病と診断。NSAIDsとコルヒチンを併用し、同症状は軽快していた。2006年1月中頃より数回の下血を認め、下部消化管内視鏡検査にて横行結腸から回盲部にかけて多発性潰瘍を認めた。腸管ベーチェットの診断のもと、2月14日よりメサラジンの投与を開始した。その後下血は消失したが腹痛、発熱、CRPの高値は持続したため、3月10日よりプレドニゾロン(最大60mg/日)経静脈投与を開始した。さらにステロイドパルス療法を計3回施行したが、効果(解熱、CRPの低下)は一時的であったため、4月27日より白血球除去療法を開始した。5月2日に回盲部回腸に穿孔を来たしたため、穿孔部位から口側25cmの回腸切除術および人工肛門造設術を施行した。切除した回腸には穿孔部以外にも潰瘍が多発していた。手術後、腹痛、発熱、CRPとも著明に改善し、ステロイドの減量後も寛解維持できている。下部消化管内視鏡においても著明な改善を認めた。ステロイド不応の難治性腸管ベーチェットに白血球除去療法併用と外科的手術による便路変更が効果的であったので、若干の文献的考察を加えて報告する。

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© 2006 日本臨床免疫学会
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