日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第34回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 15-30
会議情報

一般演題
多発性単神経炎を合併したAmyopathic皮膚筋炎の1例
*北薗 貴子山野 嘉久山田 和夫太良 光利新名 清成三好 逸男末吉 和宣吉村 あゆみ松木田 純香有村 公良
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

症例は73歳女性。平成17年2月頃より発熱と両前腕・両肘・手背に紫紅色斑が出現。近医内科を受診するも改善せず、その後関節痛、脱力感も出現し、近医内科を受診。リウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニゾロン(PSL)10mg/dayを開始された。しかしその後も症状が増悪するため、同年7月22日当院皮膚科、内科へ紹介受診となった。入院時、ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候様の皮膚症状および多発性皮膚潰瘍を認め、血液所見では少数の異型リンパ球と軽度炎症所見があり、抗核抗体160倍、CPKは正常であった。PETにてリンパ節および皮膚_から_皮下の集積を認めた。神経伝導速度にて多発性単神経炎の所見が得られたが、皮膚生検では膠原病の皮膚病変と合致するものの血管炎の所見は認めなかった。以上より本症例は皮膚潰瘍と多発性単神経炎を合併したAmyopathic皮膚筋炎と診断した。経過中、診断を明らかにするためPSLを中止したところ、皮膚病変、全身状態ともに悪化しPSL20mg/dayを開始するも徐々に呼吸状態も悪化、CTにて間質性肺炎を認めすぐにステロイドパルスを開始した。さらにシクロフォスファミド(CPA)パルスを併用し、その後PSL50mg/dayを漸減しながら月1回のCPAパルスを行っているが、症状の悪化は認めていない。本症例のように、皮膚潰瘍を伴うAmyopathic皮膚筋炎は、本邦では珍しく、高率に間質性肺炎を合併することが知られており、若干の文献的考察を加えて報告する。

著者関連情報
© 2006 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top