主催: 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
再発性多発軟骨炎(RP)は、比較的稀な全身の軟骨病変を主体とする難治性疾患であるが、最近当院で典型例および非典型例の2症例を経験したので報告する。症例1は27歳女性で喘息様症状で発症し、耳介軟骨炎および鞍鼻を伴い、RPと診断された。呼吸管理のため気管切開を施行され、その後ステロイドおよびメソトレキセートで炎症のコンロトールを行っている。典型症状を示したもののtypeIIcollagenに対する自己抗体は陰性であった。症例2は50歳男性で両側強膜炎および右胸部腫瘤で発症し、非特異的な関節痛を訴え精査のため当科紹介された。胸部腫瘤の組織所見では確定診断に至らなかったが、慢性炎症疾患と考えステロイドを投与開始した。その後気道狭窄が出現し、TypeIIcollagenに対する自己抗体が陽性であり、RPと診断された。(考察)確定診断に至る所見が発症時に必ずしも全て揃うとは限らず、慎重な臨床経過の観察が必要である。また今後確定診断にいたる新たな自己抗体の検索が必要であることが示唆された。