主催: 大阪大学保健センター、大学院医学系研究科身体防御健康医学
[目的]自己免疫疾患における制御性T細胞(Treg)の量的質的異常が報告され、その病因的役割が注目されている。他方、新たなT細胞活性化阻害薬およびTNF阻害薬が上市され、その高い有用性が認められている。しかしながら、これらの治療薬のTregへ与える影響については十分解明されていない。 [方法]健常人およびRA患者末梢血からT細胞を分離後、抗CD3/抗CD28抗体、T細胞活性化阻害薬(Tacrolimus)および抗TNFalpha抗体(Infliximab)等を用い各種条件下で培養。FOXP3陽性Treg割合、T細胞表面分子発現およびサイトカイン産生量を測定した。またRA患者における治療薬投与前後の末梢血Tregの割合を測定した。 [結果]in vitroの系では健常人およびRA患者ともTregの割合に有意な変化を認めたが、RA患者における治療薬投与前後の比較ではTregの割合の変化は有意ではなかった。 [結論]治療薬が制御性T細胞(Treg)へ影響を与えている可能性があるが、その臨床的意義についてはさらなる検討が必要と考えた。