主催: 大阪大学保健センター、大学院医学系研究科身体防御健康医学
[目的]早期関節リウマチの診断は実際困難であるのが現状である。抗CCP2抗体を用いて早期関節リウマチ(RA)診断における有用性を検討した。[対象および方法]2年以内に発症した診断不確定関節炎(UA)患者を対象に1年間追跡した。初診時の血液で、抗CCP2抗体、IgM-RF、CARF、MMP-3、CRPを測定しRAの診断能を比較検討した。[結果]146人が対象となり、期間中18人がRAを、54人が非RA疾患(他の関節症)を発症した。抗CCP2抗体のRA診断能は、感度83.3%、特異度93.0%、診断効率91.7%であり他の単独のバイオマ-カ-と比較して高値であり、バイオマ-カ-の組み合わせにおいても同等で高値であった。またバイオマ-カ-陽性例において抗CCP2抗体の平均濃度はRA患者では非RA患者において有意に高かった(RA:163.7±138.4U/ml, 非RA:55.2±72.0U/ml, p=0.017)。[結論]抗CCP2抗体は単独でもRAの早期診断に役立ち、さらにその濃度も診断に有用であることが示唆された。