日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: W3-1
会議情報

ワークショップ3 T細胞サブセット(Th1, Th2, Th17, NKT)と炎症
ナイーブマウスに移入された 抗原とAlumでパルスされたDCは Th2細胞をCaspase-1非依存性に誘導する
*今井 康友安田 好文林 伸樹松本 真琴善本 知広水谷 仁中西 憲司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

水酸化アルミニウム(Alum)はTh2をvivoで誘導するが、その機序は不明である。マウス骨髄細胞由来樹状細胞(DC)をAlumで刺激して培養上清中のサイトカインを測定したところ、Caspase-1依存性にIL-1β, IL-18などの分泌がみられた。次に、卵白アルブミン(OVA)単独、またはOVA/Alumと共に培養することでパルスしてOVA-DCとOVA/Alum-DCを得た。これらをマウスのfootpadに皮下投与して免疫した。OVAを皮下投与するとOVA/Alum-DCで著明なOVA特異的IgEの上昇がみられたがOVA-DCでは軽度であった。OVAの吸入暴露において、OVA/Alum-DCでは、メサコリンに対する気道過敏性の上昇、気管支肺胞洗浄液中の好酸球の増加、肺病理標本での炎症細胞浸潤がみられた。このようにAlumと抗原でパルスしたDCを皮下投与することでin vivoでTh2を誘導できたが、同様の実験をCaspase-1 KOマウス由来のDCを用いて行ってもTh2を誘導することができた。このことから、Caspase-1で活性化されるサイトカインの補助無しにTh2が誘導されることが明らかとなった。

著者関連情報
© 2007 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top