日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第35回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: 16
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一般演題
関節リウマチ患者で見られたサラゾスルファピリジン(SASP)の副作用と遺伝子多型の検討
*出口 均小瀬戸 昌博加藤 久宗金川 明子錦 正樹上道 知之鈴木 友和白倉 良太
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抄録

【目的】サラゾスルファピリジン(SASP)の関節リウマチ患者で見られた副作用を遺伝子多型の立場から検討した。【対象】当科で同薬剤の投与を受け遺伝子検査に同意したRA患者54例(男性11例, 女性43例),平均年齢60.0歳。【方法】SASP投与開始後3か月以上を経過した症例を調べ,副作用症例とNAT2遺伝子多型の関係を検討した。遺伝子多型の検査にはPCR-RFLP法を用いた。【結果】副作用は軽微なものも含めると53例中14例に見られ,薬剤代謝酵素であるacetylatorの遺伝子多型はrapid 8,intermediate 3,slow 3例で,副作用発現までの期間は各々平均6.8カ月 (0.5ヵ月-2年),3.3カ月 (0.2ヵ月-6ヵ月),17日 (12日-25日)であった。【結論】副作用が見られた症例にはslow acetylatorが多く,しかも一ヶ月以内と一番早く出現した。リウマチ治療には多剤を長期に使うため副作用の原因を特定するのは難しいが,NAT2遺伝子多型の識別はSASPを用いた個別薬物療法を行うための有用な情報となる可能性がある。

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© 2007 日本臨床免疫学会
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