日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: PW-37
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一般演題(ポスターワークショップ)
C4欠損症を伴ったステロイド治療抵抗性のアレルギー性紫斑病の1例
*角田 慎一郎西岡 亜紀森本 麻衣藤田 計行日野 拓耶岡崎 亮太関口 昌弘東 直人北野 将康神田 ちえり松井 聖佐野 統谷内江 昭宏
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抄録

症例は50代,女性.主訴:浮腫,紫斑.現病歴:2年半前より関節リウマチで外来通院中.半年前より下肢の紫斑,腹痛,腎機能低下を認め,腎生検で紫斑病性腎炎と診断.パルス療法を含めたPSL治療を行いPSL10mg/dayで維持していたが,IgGは治療開始前1400mg/dlであったが,治療開始2ヶ月後より常時500mg/dl以下に減少し,定期的にガンマグロブリンの補充を開始.今回,下肢浮腫と紫斑,尿蛋白(2+),尿潜血(2+)で紫斑病性腎炎の再燃を疑い入院.入院時血液検査:Cr0.98mg/dl,CRP10.6mg/dl,IgG316mg/dl,IgM66mg/dl,IgA53mg/dl,C3 135mg/dl,C4 <1mg/dl,CH50 10,クリオグロブリン(+),FactorXIII 106%,HCV(-).入院後,腎機能低下は認めなかったが,紫斑が全身に広がり,パルス療法を含めPSL40mg/dayで治療したが,改善せず.末梢血リンパ球はCD4 24.7%,CD8 47.6%,CD19 0.6%であり,T細胞受容体Vβレパトア解析ではCD4+Vβ5.1+T 細胞24.7%,CD8+Vβ14+T細胞10.4%と特定のクローンの増殖を認め抗原特異的な強い反応と考えた.エンドキサンパルス療法を併用し,病状は安定した.C4欠損症では,様々な免疫異常を起こすことが知られており,本症例の重症化にも影響したと考えられる.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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