日本臨床免疫学会総会抄録集
Online ISSN : 1880-3296
ISSN-L : 1880-3296
第39回日本臨床免疫学会総会抄録集
セッションID: W6-6
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ワークショップ6 T細胞サブセット(Treg等)
Glypican-3(GPC3)由来ペプチドワクチンにより著明な臨床効果を示した患者由来PBMCを用いたペプチド特異的細胞傷害性T細胞クローンの樹立
*多田 好孝吉川 聡明下村 真菜美白川 博文信岡 大輔澤田 雄中面 哲也
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キーワード: Glypican-3, CTLクローン
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抄録
がんペプチドワクチン療法などの免疫療法は外科手術、抗がん剤、放射線といった治療法に次ぐ“第4のがん治療法”として期待されている。しかし、まだ標準治療としての確立には至っておらず、科学的根拠に基づいたがん治療法の開発が必要とされている。
我々は、肝細胞がんに特異的に高発現する胎児性抗原であるglypican-3 (GPC3) に由来するペプチドを用いて、進行肝細胞がん患者を対象としたペプチドワクチン療法の臨床第_I_相試験を33名に行った。その結果、ペプチドワクチンの投与によりほぼ全患者の末梢血液中にペプチド特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)が増加することを確認し、HLA-A*02:01進行肝細胞がん患者末梢血からHLA-A*02:01拘束性を持ち、GPC3ペプチド特異的かつGPC3ペプチドを内因性に提示するがん細胞を傷害できるCTL clone を樹立することに成功した。
 本研究では臨床第_I_相試験で最も大きい臨床効果を示し、ワクチン後にGPC3特異的CTLの増加もみられたHLA-A*02:07の患者のPBMCからGPC3特異的CTL clone を樹立することを目的とした。
HLA-A*02:07の患者のPBMCをGPC3ペプチド・IL-2・IL-15で刺激し、GPC3ペプチド特異的CTLを誘導した。14日後に抗ヒトCD8抗体および抗CD107a抗体で染色し、陽性細胞をフローサイトメーター (FACS Aria) にてシングルセルソーティングによってCTLクローンを作製した。機能解析として、抗CD107a抗体によるFACS再解析、IFN-γ ELIspot assay、細胞傷害性試験を行った結果、このクローンはGPC3ペプチド特異性が認められた。現在、さらなる機能解析を実施している。
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© 2011 日本臨床免疫学会
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