抄録
【目的】ループス腎炎の新分類(ISN/RPS2003)の臨床的有用性を検討すること。【方法】1986年から2007年の間に腎生検を行ったループス腎炎110例の組織を新分類で診断し、腎予後を比較検討した。【結果】症例の平均年齢は36.3歳、平均観察期間は7.4年であった。各型の頻度は2型(メサンギウム増殖性)13%、3型(巣状)17%、4S型(びまん性分節性)15%、4G型(びまん性全節性)44%、5型(膜性)11%で、1型と6型は認めなかった。観察最終時にエンドポイント(末期腎不全、血清クレアチニン2倍増、死亡)に到達した症例は2型14%、3型5%、4S型13%、4G型14%、5型0%で、Kaplan-Meier解析では群間に有意差は認めなかった。しかし4G群を活動性病変のみの4G(A)と慢性病変を含む4G(A/C)に分けて解析すると、4G(A/C)の腎予後が有意に悪く、反対に4G(A)の予後は良好であった(p=0.014)。4G(A/C)は4G(A)と比較して、寛解導入療法に対する反応が悪い傾向があった。また腎炎発症から治療開始までの期間が長く、診断・治療の遅れや緩徐な腎炎発症様式が原因として考えられた。V型病変の合併は同等であった。【結論】ISN/RPS2003において、4G(A)と4G(A/C)では腎予後が大きく異なる。慢性病変の程度を考慮した予後推定・治療が必要と考えられた。