抄録
【背景・目的】Foxp3は制御性T細胞(Treg)の分化、機能に重要な役割を果たすとともに、Tregのマーカーとして広く用いられている。しかしながら、SLEの病態におけるTregおよびFoxp3発現細胞の役割については不明な点が多い。そこで、本研究ではSLE患者におけるCD4+Foxp3+細胞分画の動態と表現型を解析し、その病態における役割を検討した。【方法】対象はSLE患者39例と健常人19例。フローサイトメトリーを用いて、CD4+細胞中Foxp3+細胞の比率とCD4+Foxp3+細胞上のCXCR3、CCR4、CCR6、CXCR4の発現量と陽性細胞頻度を測定した。SLE患者では検体採取時の臨床症状を履歴的に調べ、測定結果との関連を検討した。【結果】CD4+細胞中Foxp3+細胞の比率はSLE患者で健常人と比べて増加していた。CD4+細胞中Foxp3+細胞の比率は抗dsDNA抗体価、SLEDAIと正の相関を、血清総補体価と負の相関を示した。経時的な解析では、CD4+Foxp3+細胞の比率が疾患活動性低下に伴って減少した。SLE患者のCD4+Foxp3+細胞上ではCCR6の発現量、陽性細胞頻度が低下し、CXCR4の発現量、陽性細胞頻度が上昇していた。【結論】SLE患者ではケモカイン受容体発現異常を有するCD4+Foxp3+細胞が増加し、病態に関与する可能性が示された。