2012 年 40 巻 3 号 p. 140-146
脳磁図は2004年に保険適用検査となったが, 科学的エビデンスは必ずしも明らかでない。本研究では文献検索にもとづきてんかんの脳磁図臨床研究の動向を調べた。MEDLINE にてepilepsy AND (MEG OR magnetoencephalography OR (magnetic source imaging)) を検索, 2010年7月までで961論文が検索された。これをエビデンスレベル, 抄録内容にもとづいて65論文に絞りこみ内容を調べた。エビデンスレベルはグレード1: 0編, 2: 3編, 3: 20編, 4: 22編, 5: 14編, 6: 6編であった。総じて有用性を報告したものが多く, 特に診断・治療方針の決定に関してはエビデンスレベルの高い論文もあり, てんかん焦点源検索や頭蓋内電極留置部位決定に関して頭皮脳波より優れていると考えられた。現在, 脳磁図の保険適用は手術適応例に対する術前検査であるが, 手術適応評価法としての位置づけがむしろ適切と考えられる。