臨床神経生理学
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40 巻 , 3 号
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原著
  • 白石 秀明, 尾﨑 勇, 井口 義信, 石井 良平, 鎌田 恭輔, 亀山 茂樹, 露口 尚弘, 中里 信和, 長峯 隆, 平田 雅之, 湯本 ...
    2012 年 40 巻 3 号 p. 119-130
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル フリー
    脳磁図検査を施行している国内36施設に対して, 脳磁図検査がどのような症例に対して行われ, どのような検査が行われているのかに関して, 平成21年5月に, 郵送による質問紙調査を行った。また, これらの施設で, 検査を施行している医師, 検査技師が施行上, あるいは財政的にどんな問題に直面しているのかに関しても質問した。24施設 (回答率67%) より回答を得た。年間150~200症例の検査を施行している施設が多い一方, 50例以下の施設も多くあった。脳磁図検査を依頼された患者の臨床診断では, てんかんと脳腫瘍がほぼ半数を占め, 認知症, 脳血管障害, 変性疾患がこれに次いでいた。患者の年齢層は幅広かったが, 60歳以上の症例が16%に達していた。脳神経外科医と精神科医が脳磁図の記録と解析の主体を担っており, 約半数の施設では専任臨床検査技師が配置されていなかった。脳磁図記録のプロトコルには, 自発脳磁場解析, 体性感覚誘発脳磁場, 聴覚誘発脳磁場, 視覚誘発脳磁場, 運動関連脳磁場, 言語優位半球同定が含まれていた。多くの施設で, てんかん患者の自発脳磁場解析の為にてんかん性棘波の自動解析ソフトウエアの開発が望まれていた。年間の維持経費は500~2,000万円の施設が多い一方, 83%の施設で赤字を計上していた。健康保険による脳磁図検査の適応拡大が, これらの負債の軽減に必要であることが示唆された。
  • 園生 雅弘, 安藤 哲朗, 内堀 歩, 川上 治, 所澤 安展, 畑中 裕己, 谷口 真, 東原 真奈, 大石 知瑞子, 河村 保臣, 久野 ...
    2012 年 40 巻 3 号 p. 131-139
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル フリー
    胸郭出口症候群 (TOS) の概念については欧米で議論があり, true neurogenic TOS (TNTOS) とdisputed neurogenic TOS (DNTOS) との区別が論じられている。しかし本邦ではこの点についての十分な言及やTNTOSの症例報告は少ない。本論文では過去12年間に経験したTNTOS 4例の臨床像・電気生理学的所見を提示する。主訴は全例母指球筋の萎縮と巧緻運動障害で, 前腕内側に軽度の感覚障害を認めた。運動神経伝導検査の障害は正中神経が尺骨神経より強く, 感覚神経伝導検査の障害は内側前腕皮神経が最強で, 次いで尺骨神経と正中神経環指記録が障害され, Th1優位下神経幹での腕神経叢障害と局在診断された。これらの例以外で同一期間内にTOSとして紹介された7例中6例は電気生理学異常を伴わず心因性と診断され, DNTOSの範疇と考えられた。TNTOSは臨床的には運動障害優位で, Th1優位の下神経幹障害という均一な病像を示す稀な疾患である。DNTOSの本態は未だ不明である。
総説
  • 平田 雅之, 亀山 茂樹, 後藤 哲, 柳澤 琢史, 貴島 晴彦, 押野 悟, 吉峰 俊樹, 井口 義信, 石井 良平, 尾﨑 勇, 鎌田 ...
    2012 年 40 巻 3 号 p. 140-146
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル フリー
    脳磁図は2004年に保険適用検査となったが, 科学的エビデンスは必ずしも明らかでない。本研究では文献検索にもとづきてんかんの脳磁図臨床研究の動向を調べた。MEDLINE にてepilepsy AND (MEG OR magnetoencephalography OR (magnetic source imaging)) を検索, 2010年7月までで961論文が検索された。これをエビデンスレベル, 抄録内容にもとづいて65論文に絞りこみ内容を調べた。エビデンスレベルはグレード1: 0編, 2: 3編, 3: 20編, 4: 22編, 5: 14編, 6: 6編であった。総じて有用性を報告したものが多く, 特に診断・治療方針の決定に関してはエビデンスレベルの高い論文もあり, てんかん焦点源検索や頭蓋内電極留置部位決定に関して頭皮脳波より優れていると考えられた。現在, 脳磁図の保険適用は手術適応例に対する術前検査であるが, 手術適応評価法としての位置づけがむしろ適切と考えられる。
特別寄稿
  • III. Vascular Lesions
    Shin-ichi Wada
    2012 年 40 巻 3 号 p. 147-166
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2014/08/25
    ジャーナル フリー
    In this study, we examined 37 patients with brainstem vascular lesions. We found that brainstem auditory evoked potentials (BAEPs) are completely different in patients with acute rather than chronic vascular lesions in the pons. These data highlight the importance of BAEP follow-up studies and clarify the sites that generate these potentials. In this regard, the lesions limited wave V activity from the inferior colliculus to the rostral pons contralateral to the stimulated ear. On the other hand, the generation site of wave III activity depended on the decussating fibers of the trapezoid body. Moreover, a patient with a pontine hemorrhage clearly demonstrated that generation of wave III activity largely depended on the superior olivary complex contralateral to the stimulated ear. Similarly, wave IV ipsilateral stimulation to the lesion and wave V contralateral stimulation to the lesion were affected by the same discrete lesion at the mid portion of the pons, and the lesion anatomically included the nucleus of the lateral lemniscus. These data suggest that wave IVs are generated by the ipsilateral nucleus of the lateral lemniscus. The pathway of wave V activity likely crosses through Probst's commissure at the level of the mid-pons. We present a schematic illustration of the generation sites and pathways of BAEPs in humans. In this regard, wave I activity was generated by the VIIIth nerve, wave II activity was generated by the cochlear nucleus ipsilateral to the stimulated ear, wave III activity was generated by the superior olivary nucleus contralateral to the stimulated ear, wave IV activity was generated by the ipsilateral nucleus of the lateral lemniscus, and wave V activity was generated by the contralateral inferior colliculus. In addition, we describe the pathways for BAEP generation, the mechanisms that mediate binaural interactions, and the properties of the BAEP generators.
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