臨床神経生理学
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原著
視覚誘発電位を用いた緑内障・高眼圧症の大細胞系機能評価
山崎 広子北 洋輔小林 朋佳加我 牧子稲垣 真澄
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2016 年 44 巻 1 号 p. 11-19

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抄録

緑内障・高眼圧症の大細胞系機能の他覚的評価のため低空間周波数, 高時間周波数, 低コントラストの視覚刺激 (M刺激) を新たに作成し, pattern reversal条件でVEPを記録した。緑内障例8名, 高眼圧症例5名, 健常対照13名のOz部VEP波形をComplex demodulation法により解析しpeak振幅を求めた。疾患群のVEP peak振幅値はコントラスト10%と15%で有意に低下した。コントラストの対数値対peak振幅のプロットに基づく回帰直線から算出したコントラスト閾値は疾患群で有意に高値を示した (p<0.05) 。疾患群の13眼中6眼において, コントラスト閾値が健常群の平均+2SDの値 (4.49%) を超えていた。以上からM刺激によるVEP検査は, 緑内障・高眼圧症症例の網膜から第一次視覚野までの大細胞系機能障害を早期に, 他覚的かつ定量的に捉えうることが示された。

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© 2016 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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