臨床神経生理学
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Lambert–Eaton筋無力症候群
幸原 伸夫川本 未知石井 淳子村瀬 翔
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2016 年 44 巻 1 号 p. 28-35

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抄録

LEMSは非特異的な疲労感が主訴となることが多いが, 近位筋の筋力低下と腱反射の低下, 口渇を認める患者をみたときにはLEMSを疑う必要がある。診断は手筋のCMAP振幅低下を確認し, 筋収縮後のCMAP振幅の増大をみることで容易に行える。10秒間の筋収縮終了直後に電気刺激を加え, 60%以上の振幅増大を認めたときにはLEMSの可能性がきわめて高い。神経末端のP/Q型電位依存性Caイオンチャンネルに対する抗体の存在が本症候群の原因であり, 陽性率は約90%である。対症療法として抗コリンエステラーゼ剤のほか3,4ジアミノピリジン (3,4 DAP) が有用である。悪性腫瘍を伴う場合は原因治療および免疫治療が, 伴わない場合は対症療法を中心として長期のフォローアップが重要である。

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© 2016 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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