臨床神経生理学
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手根管症候群
正門 由久栃倉 未知児玉 三彦
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2017 年 45 巻 1 号 p. 59-64

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抄録

手根管症候群 (carpal tunnel syndrome: CTS) における臨床神経生理学的検査の重要性について述べる。CTSのみならず, 絞扼性末梢神経障害は早期に的確な診断がなされ治療に結びつくことでより速やかで良好な機能予後が期待できる。病状が徐々にではあるが進行することで機能は低下してしまう。CTSの早期診断のためルーティン神経伝導検査に加えて, 正中神経と隣接する非障害神経との手根管部での神経伝導の比較などの比較法によって, 軽度のCTSの診断ができる。また臨床診断および臨床神経生理学的検査の結果によって治療法をどのようにすべきかの定まった結論は得られておらず, 今後多施設共同研究を行う必要がある。

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© 2017 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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