臨床神経生理学
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特集「第6回脳脊髄術中モニタリング談話会 複合電位に潜んだ真実を見逃すな」
生理学者からみた錐体路電位とは—発達初期脳損傷後の錐体路大規模再組織化の電気生理学的検証—
高橋 雅人梅田 達也伊佐 かおる伊佐 正
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2020 年 48 巻 4 号 p. 181-189

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抄録

術中脊髄モニタリングは, 術中の脊髄機能を知るうえで重要な検査法であり, より正確な判断を下すにはmultimodalなモニタリングが必要となる。運動路のモニタリングでは, 頭蓋刺激由来の運動誘発電位として, transcranial electrical stimulation-muscle motor evoked potential (Tc(E)-MEP) やepidural motor evoked potential (D-wave) が広く行われているが電位の起源や伝導路を理解しなければ, 偽陰性が生じる可能性がある。我々は基礎研究で中枢神経損傷後における錐体路の変化について検証を行ってきた。基礎研究における運動誘発電位の起源, 伝導路についての検証法について紹介する。刺激部位, 刺激条件, 記録部位を念頭に, 得られた波形の振幅, 潜時から伝導路を明らかにする。

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© 2020 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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