臨床神経生理学
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原著
実運動と同時に行う運動イメージが脊髄神経機能と運動の正確性に与える影響
鶴田 菜月福本 悠樹東藤 真理奈谷 万喜子鈴木 俊明
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2021 年 49 巻 2 号 p. 45-53

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抄録

実運動と運動イメージの併用が運動の正確性と脊髄運動神経の興奮性にどのように影響するか検討した。KVIQ3以上である健常者8名 (平均年齢20.1歳) を対象に実施した。安静F波測定後, 20%MVCのピンチ力に調節する練習中のF波を測定し, 直後にピンチ課題を与え, 予め規定した20%MVCのピンチ力値と, 被験者が実行し発揮したピンチ力値の誤差を絶対値で算出した。続いて, 運動イメージ中のF波測定後, 再度ピンチ課題を与えた。次に実運動と運動イメージの併用中のF波を測定し, その後ピンチ課題を与えた。最後に安静F波を測定した。振幅F/M比とF波出現頻度は安静に対して各試行で増加していた。また, 安静の振幅F/M比と比較した各試行での振幅F/M比の差で算出した振幅F/M比変化量と絶対誤差の関係は, 誤差が小さい者は振幅F/M比変化量が収束していた。実運動と運動イメージの併用で脊髄運動神経の興奮性が高まるが, 高まりすぎない場合で正確性が向上する可能性が考えられる。

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