2021 年 49 巻 3 号 p. 131-138
神経伝導検査 (NCS) は神経筋疾患の診療における有力なツールである。医師が診断に必要な神経や検査法を選択しNCSを依頼する。臨床検査技師は, 依頼内容を把握し, また検査中に得られた波形を判断しながら必要な検査を追加する。そこで全ての技師が適切な追加検査を行えることを目指し, 第一段階として正中神経NCSについての独自のチャート式マニュアルを考案した。正中神経NCSでは, 比較的よく遭遇する手根管症候群とMartin Gruber吻合に注目し, これらを適切に鑑別できるように留意してマニュアルを作成した。これにより, 初学者でも必要な追加検査が施行可能となり, 検査中の心理的負担の軽減, 検査時間の短縮, 技師間での検査方法の標準化につながる可能性がある。