臨床神経生理学
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原著
F波自動解析を用いた運動単位推定法の新たな取り組み
阿部 達哉大塚 亮蜂須賀 明子小森 哲夫
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2024 年 52 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

運動単位数推定 (MUNE) は病態による運動単位数の変化を評価する検査法である。一方, F波は少数の運動単位電位が構成する複合筋活動電位であるが, 同じ波形が繰り返して記録される確率が低いことから, そのようなF波は反復F波と呼ばれ, 単一運動単位電位として解釈される。この解釈を応用したMUNEとして, F波法 (F-MUNE) がある。今回, F波記録からF-MUNEを算出する自動解析プログラムを開発し, 有用性を検討する目的でALSと健常対象 (CNT) の間で成績を比較した。また, 既存のMUNEの手法である多点刺激法 (MPS-MUNE) とF-MUNEの成績の相関について検討した。ALSのF-MUNEはCNTより低値であり, MPS-MUNEの成績と正相関の関係であった。F-MUNEは他のMUNEと同様に, ALSの運動単位数の評価ができたことから, この新たな自動解析は神経筋疾患における臨床への応用が可能である。

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© 2024 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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