神経生理検査に携わる臨床検査技師には, 精度の高い検査報告の責務があり, 相応の知識と技術が要求される。神経生理検査は, 技術に依存することが多い。さらに, 精度の高い検査報告をするには, 検査技術だけではなく神経生理学や電気工学的な知識も要求される。精度の高い神経生理検査業務を維持するためには, 後進へ引き継いでいくことが重要である。そのためには, モチベーションを上げる工夫と知識や技術を上げる工夫が望まれる。筆者は, モチベーションを上げることとして, 検査業務に興味を向け, 充実感が得られるようにしている。また, 本学会の認定技術師の制度は, 知識の向上だけではなく, モチベーションを上げることにも繋がり教育的な役割も大きい。神経生理検査を学ぶためのツールとして, 本学会が企画する脳波セミナー・アドバンスコース, 神経筋診断セミナー, 術中脊髄モニタリングセミナーなどの主催セミナーや関連講習会, 会員e-Learningがある。他学会の学術集会やセミナー, 研究会や各メーカー主催のWebセミナーなども有用である。これらの研修会を有効に活用していただきたい。そして, 筆者は施設見学や施設研修をお勧めする。現場で見聞きすることは, 実臨床に沿ったものであり臨床に活かせるものが多いからである。検査の指導方法は, 以前は自主性や主体性を重要視していたが, 最近はこちらから具体的に説明し指示を出すようにしている。協調性や協働を重要視する世代に指導する側も合わせていく必要があると考える。しかし, 自主性や主体性も重要であるため指導後の検査の進め方は, マニュアルを順守しつつ根拠を持った方法であれば主体性に任せている。新規に検査を導入する際には, 実技研修会や施設研修などで技術を習得した後に, 実臨床で開始していただきたい。これらを私が経験したことを中心に紹介する。
抄録全体を表示