臨床神経生理学
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神経変性疾患における脳波賦活法の意義
飛松 省三
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2025 年 53 巻 2 号 p. 75-85

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抄録

脳波はてんかんと意識障害 (脳炎や脳症) の診断に有用である。そのため, ルーチン脳波における賦活法は, 一般的にはてんかん性異常の診断能を上げるための手段と考えられている。神経変性疾患 (認知症, 大脳基底核疾患, 多系統萎縮症など) では脳波異常がみられるが, その多くは非特異的所見であり, 診断に貢献することは少ない。しかしながら, 非特異的所見の積み重ね (スコア化や重み付け) から, 鑑別診断の一助となることもある。本総説では変性疾患におけるルーチンで行われる開閉眼, 過呼吸, 光刺激に加えて自然睡眠 (約1/3の症例で見られる) の意義を, 自験例を基に文献的考察を加えた。開眼・光刺激に対する後頭部優位律動の反応性低下, 過呼吸による徐波化の遷延化やFIRDAあるいは側頭部徐波の出現, 睡眠紡錘波の周波数低下がみられた。ルーチン脳波検査ではてんかん性放電に注意を向けるだけでなく, 賦活時の脳波の変化を注意深く観察することが神経変性疾患の脳機能の評価に有用である。

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