2025 年 53 巻 6 号 p. 651-657
本研究では, 運動困難等により意思疎通に制限がある脳性麻痺児において母の児に対する声かけの文調の違いが与える神経生理学的影響を検証することを目的とした。対象は出生時体重2000 g, 在胎34週の低出生体重児である脳性麻痺の6歳女児。声かけは「問いかけ条件」と「教示条件」の2条件で行い, Fp1, Fp2, P3, P4の4チャンネルで脳波計測を実施した。解析にはWavelet Coherence解析を用い, 結果として, 母親の声かけが児の情動に影響を与え, 認知活動を促した可能性が示唆された。また, 「教示条件」では特定の声かけに注意を向け, 「問いかけ条件」では声かけ全体に集中する傾向が示唆された。本研究は, 声かけがリハビリテーションの効果や児の発達において重要な役割を果たす可能性を示唆するものである。