筋の電気的活動は主に筋電図によって評価されてきたが, 磁場を計測することで新たな評価手法につながる可能性がある。我々は, 3方向の磁場成分を検出できる超電導量子干渉素子磁束計を円筒面に沿って上向きに132チャンネル配置した生体磁気計測装置を用い, 短母指外転筋の運動単位活動に伴う磁場を記録した。記録された磁場分布に対して空間フィルター法を適用し, 電流分布を推定することで運動単位活動の電流を可視化した。その結果, 運動単位活動の初期に神経筋接合部へ流入する電流が観察された。これは神経筋接合部付近で生じる活動を反映すると考えられ, 運動単位のサイズの指標になると考えられた。健常者と比較して運動ニューロン疾患患者では, 運動単位のサイズは大きく評価された。さらに, センサーと筋の距離が変化しても運動単位のサイズを安定的に評価できることが確認された。磁場計測は従来の針筋電図に代わる非侵襲的評価手法となる可能性が示唆された。