日本臨床プロテオーム研究会要旨集
第1回日本臨床プロテオーム研究会
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研究発表
ケミカルプロテオミクスを基盤とする薬物標的分子の探索
*坂井 和子細井 公富関島 勝荒尾 徳三西村 俊秀秋元 信吾大川原 正水上 民夫加藤 治文西尾 和人
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p. 12-

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抄録
ケミカルプロテオミクスによる新規な標的分子の探索は治療におけるバイオマーカーや創薬標的分子の発見へとつながると考えられる。われわれは、もっとも古い分子標的薬であるタモキシフェン、代謝拮抗剤5-フルオロウラシル, EGFRチロシンキナーゼ阻害剤について、分子プローブを合成し結合タンパク質の分離、同定を試みた。タモキシフェンは、標的であるエストロゲン受容体に加えて、特異的なタンパク質が検出された。5-フルオロウラシルの分子プローブに対する特異的なタンパク質は見出されなかったが、5-フルオロウリジンの分子プローブでは、特異的な結合タンパク質のバンドが再現性よく見出された。チロシンキナーゼ阻害剤は、ATPのアフィニティカラムに対してチロシンキナーゼ阻害剤を拮抗的に作用させ、構造の似通っている化合物間での異なった結合タンパク質が分離されている。現在、MALDI/TOFMSによるタンパク質の同定を行っている。同定された、タンパク質は、新たな治療標的となる可能性がある。(当研究は創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業の一部として実施している。)
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