日本臨床プロテオーム研究会要旨集
第1回日本臨床プロテオーム研究会
会議情報

研究発表
酵母宿主のケミカルゲノミクス・プロテオミクスに基づく抗癌剤創薬:プロテアソーム阻害剤の同定
*水上 民夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 10-

詳細
抄録
酵母は真核生物のモデルシステムとして広く利用されている。本研究では、細胞周期・細胞増殖プロセスにおける酵母と哺乳動物細胞の高度な相同性に着目し、酵母を抗癌剤探索のツールとして利用した。本研究プロセスは、フォワードケミカルゲノミクス・プロテオミクスの方法論をもとに、(1)特定の創薬標的やパスウェイにより誘導される表現型を酵母宿主で構築し、その表現型に影響を与える活性化合物を取得する、(2)活性化合物の標的タンパク質を同定・確認するという、2ステップから構成される。ここでは、細胞周期を標的とする抗癌剤リード化合物の探索を目的として、サイクリンA1遺伝子の出芽酵母への導入・過剰発現により、cdc28リン酸化酵素活性の昂進を通じて、誘導される増殖停止の表現型に着目し、その表現型を回復させる化合物を取得した結果、新規のプロテアソーム阻害剤と同定した事例を報告する。
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top