コミュニティ心理学研究
Online ISSN : 2434-2041
Print ISSN : 1342-8691
講演
教育組織の設計と立ち上げおよびその評価―某公立大学での8年間を検証する―
安藤 延男
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1999 年 3 巻 1 号 p. 33-43

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抄録

「PLAN→DO→SEE」の言葉どおり,企業組織は(よほどずぼらでない限り)「計画→実施→評価」を,年単位又は半年(又は四半期)単位で定期的にくりかえし,当該組織の管理運営やその有効性(effectiveness)を絶えずチェックしている。しかし,「教育組織」についての評価は,一般的には未だそこまで行っていない。あるいは,教育という「営み」の特異性によるところもあろう。しかし,それでは,国や自治体などの「審議会答申」や「教育改革案」は単なる「思い付きの垂れ流し」と言われても仕方がなかろう。計画内容と評価結果を,組織内部に対してはもちろんのこと,外部の設置者やユーザーに対して広く公開し,当の教育組織の発展のために内外の意見や支持を吸い上げる努力が必要である。

私は,平成2年度から平成9年度までの8年間,某公立大学(人間社会学部)と大学院(人間社会学研究科)の設計並びに立ち上げ,将来構想策定などにコミットしてきた。それ故,産出された組織の管理運営とその結果に関する緻密な評価を入手することもまた内発的な実践課題の一つであった。

ここでは「参加的理論構成者」(participant conceptualizer)としての視点から,主題にそって考察する。

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© 1999 日本コミュニティ心理学会
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