臨床薬理
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Oxaprozinの臨床薬理試験
東 威渡辺 暉邦
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1984 年 15 巻 4 号 p. 555-565

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抄録

新抗炎症剤OXPの空腹時または食後投与および1日1回または分2投与における体内動態を把握するため, 健常成人男子を被験者とし, それぞれ単回投与試験および連続投与試験を実施し以下の結果を得た.
1. 試験期間を通じて臨床検査値などに異常は認められなかった.
2. 本剤400mg単回投与後の血清中濃度は4hrで最高濃度に達し, その後は約50hrの半減期で減少した.
3. 本剤の体内動態は食事の有無によりほとんど影響を受けなかった.
4. 単回投与後, 尿中へは主にOXPのエステルグルクロニドとして排泄され, ほかにM-3のエステルグルクロニド, M-2, M-3のエーテルグルクロニド, OXP, M-3の非抱合体などが認められた.
5. 本剤400mgを1日用量とし1日1回または分2により連続投与した結果, いずれの場合も4~6日で定常状態に達し, その血清中濃度は単回投与時の約2倍であった.また平均血清中濃度は投与方法によらずほぼ一定値を示した.

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© 日本臨床薬理学会
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