抄録
本研究は、2006年に発足した認定こども園に対する保育・教育現場からの評価を、そこに子どもを通わせる保護者、そこで働く教諭・保育士、幼稚園や保育所に通わせる保護者とそこの教諭や保育士、合計4572名を対象に質問紙によって行われた。結果は、認定こども園に通わせている保護者は、90%の者が通わせてよかったと答えていた。幼稚園や保育所の保護者は、認定こども園のことを情報不足で十分には理解していないことが示された。認定こども園の教諭・保育士は、勤務の面では幼稚園よりきついが保育所よりきつくないと感じていた。認定こども園、幼稚園、保育所の3種の施設の教諭・保育士の評定による子どもの様子は、幼稚園の子どもはよく適応していて、保育所はあまり適応していない、認定こども園の子どもはその中間であると評定されていた。保育所保育士の子どもの様子の認知が他の施設の教諭や保育士のより低いことの理由について、今後さらに検討の必要があることが示唆された。