日本経営工学会誌
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不確実な生産環境における総合生産計画に関する研究 : 二つの確率モデルについての考察
王 晶中村 信人新宮 哲郎
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1989 年 40 巻 1 号 p. 36-43

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抄録
本研究は二つの確率総合生産計画モデル, すなわち機会制約条件計画法による定式化と予備生産能力計画法による定式化に関して, それらの特徴を考察し, 不確実的生産環境におけるシミュレーション実験を通じて両定式化の挙動を比較・検討した.その結果, バックオーダ量については, 機会制約条件定式化が予備生産能力定式化よりもすぐれ, 総生産費用については, 本実験において労働力関係費用が極端に大きい場合を除いて, 予備生産能力定式化が機会制約条件定式化よりもすぐれていることがわかった.また, 機会制約条件定式化では, 予備生産能力定式化より必要労働力量が比較的大きく, その変化も激しく, 在庫量が大きくなるという挙動を示した.これに対して予備生産能力定式化では, 機会制約条件定式化よりも必要労働力がそれほど大きくなく, 比較的安定していて, 在庫量が小さくなるという挙動を示した.
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© 1989 公益社団法人 日本経営工学会
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