抄録
本論文の目的は、子どもたちの保護者・教師・多くの分野の研究者に村井実の“ よさ理論” を紹介することである。村井による教育の定義は「子どもは“ よく” 生きようとしている。大人は、子どもたちのその働きを助けようとする。大人のこの活動を“ 教育” と呼ぶ」というものである。村井理論の重要な点は「子どもは“ よく” 生きようとしている。しかし、私たちは“ よさ” とは何か決めることができない。これが教育のパラドックスである」ということである。この論文では、“ よさ” に関するいくつかの例を呈示する。