子育て研究
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Print ISSN : 2189-0870
ルイスの自己発達理論
川上 清文
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2016 年 6 巻 p. 3-8

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抄録

マイケル・ルイス(Michael Lewis)は、発達心理学のリーダーのひとりである。本論では彼の論文や著書に基づき、彼の自己発達理論を要約する。彼の理論は、発達研究者・保育者・親にとって重要な視点をもたらすに相違ない。彼は自己発達において2つの標石を想定している。生後1年半頃と2、3歳である。生後1年半頃、子どもたちは “意識(自己参照行動)” を獲得する。この “意識” の指摘こそが彼の理論の中核であり、彼の理論の独創性を示す。生後2、3歳で子どもたちは “自己意識的評価情動” を持つ。ルイスによるとヒトと大型類人猿だけが “意識” を持ち、ヒトだけが “自己意識的評価情動” を持つ。ルイスの理論はデータに基づいている。ゆえに彼の理論は、より多くのデータの裏付けにより洗練されていくであろう。

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© 2016 日本子育て学会
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