子育て研究
Online ISSN : 2189-7581
Print ISSN : 2189-0870
児童家庭相談における児童家庭支援センターの役割と今後の展望
―― 児童版の地域包括ケアシステムの構築に向けて――
堀口 康太
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2018 年 8 巻 p. 16-26

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抄録

本論文は児童家庭支援センターが児童家庭相談においてどのような役割を果たしてきたか各種の報告を通して検討し、今後の児童家庭相談において、児童家庭支援センターが果たしていくべき役割を検討することを目的とした文献研究である。児童福祉法の改正や設置運営要綱の改正の流れに沿って、便宜的に 3 つの段階 (1. 創設から 2004 年児童福祉法改正まで、2.2004 年児童福祉法改正から 2012 年設置運営要綱改正まで、3.2012 年設置運営要綱改正後から 2017 年まで ) を設定し、児童家庭支援センターが果たしてきた役割を整理した。整理した結果から、今後の児童家庭支援センターに求められている役割を検討したところ、児童家庭支援センターが行っている各事業が児童家庭相談の中で一貫して継続的に提供されていないことが役割を不明確にしている理由であり、今後は予防的観点から要保護児童等やその家庭に対して一貫して継続的に支援を提供し、地域包括ケアシステム構築に重要な児童家庭相談における中核的機関としての役割を担うことが必要であると整理された。最後に、中核的機関としての役割を担う上での課題が整理された。

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© 2018 日本子育て学会
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