2013 年 1 巻 2 号 p. 239-241
当院で施行した2012年4月から12月の間の3例の生体腎移植について,それぞれが特徴を持っていたので,レシピエント管理について看護の視点を明確にする。症例1は血液型不適合の兄弟間移植。レシピエントは20代女性。看護師の視点から生体腎移植を希望する人の期待と不安,術式や周術期管理を含めた具体的な説明,多職種で行うカンファレンスの重要性,感染予防に対する看護マニュアルの充実が必要であることを学んだ。症例2は高齢者同士の夫婦間移植。術直後に再挿管を行ったので,高齢者手術に備え準備していたことが役立った。高齢者の一般術後に散見される「せん妄」対策や,活動度低下や在院日数延長を予防するリハビリの早期介入を考慮した。症例3は既存抗体陽性の夫婦間移植。急性拒絶反応に対し3日間パルス療法を行った。担当医と連携して,急性拒絶の早期診断・治療,増加する感染リスクに対する予防,看護管理が重要であることを学んだ。3事例を経験したことで得たチーム医療,看護経験を活かし,今後生体腎移植のみならず,献腎移植も増やし,地域の腎不全医療・看護に貢献できるように努力していきたい。