2026 年 14 巻 1 号 p. 113-116
28歳男性。生体腎移植の6ヵ月後に発熱,湿性咳嗽が出現し,肺炎の診断で入院となった。SARS-CoV-2抗原,インフルエンザウイルス抗原,尿中肺炎球菌抗原,尿中レジオネラ抗原,肺炎マイコプラズマ抗原検査は陰性で,血中β-Dグルカンの上昇も認めず,セフトリアキソンで加療を開始したが症状は改善しなかった。喀痰培養検査では口腔内常在菌のみ検出され,入院 5日目に再検した肺炎マイコプラズマ抗原検査も陰性であったが,multiplex PCR(mPCR,FilmArrayⓇ呼吸器パネル 2.1)検査でマイコプラズマ肺炎の診断に至った。抗菌薬をミノサイクリンに変更したところ,症状,炎症反応ともに改善した。抗原検査が2回陰性となり,mPCRで診断したマイコプラズマ肺炎の1例を経験した。原因菌の同定に苦慮する場合mPCRを検討すべきである。