本邦における腎移植の推進には,腎臓内科医が腎移植に習熟することが必要条件であるが,現状では十分に達成されているとは言いがたい。課題としてまず,腎移植を「専門」とするキャリアプランの見えにくさがある。移植施設数や施設毎の症例数は限られており,腎移植を「専門」とする第一人者も多くない。そもそも,「移植内科医」のように腎移植を専門性として切り出すこと自体,専門性と普遍性のトレードオフの観点から,本来の方向性との乖離を生じ得る。さらに,本邦では移植手術から移植後管理まで,伝統的に腎泌尿器外科が中心に担ってきた経緯があり,腎臓内科医が主体的に関与しにくい構造も存在する。この点では,腎移植に携わる外科医の理解と協力も不可欠である。腎移植を腎代替療法の一選択肢として,腎臓内科医の間でより普遍的に位置づけるため今後期待される改革について,「比較的」若手腎臓内科医の立場から議論する。