2026 年 14 巻 1 号 p. 36-42
腎移植におけるサイトメガロウィルス(CMV)感染は依然として移植腎機能低下や拒絶反応誘発の重要なリスク因子である。当院ではこれまでバラガンシクロビル(VGCV)の長期投与に伴う骨髄抑制を考慮し,予防投与よりも先行治療を基本方針としてきた。とくに高リスク群(D+/R-)においては,モニタリングと迅速な治療介入を行うことがより重要と考えている。一方で2024年より骨髄抑制の少ない予防薬としてのレテルモビルや,難治症例に対するマリバビルが国内承認されるなど,治療の選択肢が広がっている。本稿ではこのような新規薬剤の登場を踏まえ,高リスク群におけるCMV感染のマネジメントを行う際にどのような点に留意するべきか,とくにウィルス曝露の負荷(CMV burden)を可能な限り最小化する重要性などを含め,これまでの報告をもとに考察し,当院におけるマネジメントについて概説する。