日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
臨床研究報告
腎移植後 3ヵ月時からの EVR導入プロトコールの短期成績
岡田 卓也岸川 英史西村 憲二石村 武志竹田 雅藤澤 正人樋口 喜英野島 道生山本 新吾川喜田 睦司市川 靖二
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2014 年 2 巻 1 号 p. 107-110

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抄録

【目的】兵庫Renal Transplantation研究会では,腎移植手術後3ヵ月時よりEVRをアドオンし,CNIを減量する多施設共同研究を行っている。今回プロトコールの有用性に関する短期成績を報告する。【対象・方法】2012年4月以降に腎移植を行い,術後3ヵ月の時点で急性拒絶反応のない症例を対象としてEVRを導入した。EVRのトラフ値は3~8ng/mLとし,CyAはトラフ値50ng/mL以下,TACはトラフ値3ng/mL以下を目標に減量,核酸合成阻害剤も可及的に減量した。【結果】対象は29例。2例は献腎移植,11例はABO不適合であった。EVR導入後,CNIは目標通り減量され,12ヵ月後のトラフ値はCyA 34ng/mL,TAC 1.9ng/mLとなった。EVR導入前および導入後3,6,12ヵ月のeGFRは51,53,46,47mL/min/1.73m2であった。有害事象として口内炎が45%,高脂血症が38%にみられ,1例でEVR投与を中止した。急性拒絶反応は3例に認め,全例内科的治療にて回復した。【結語】本プロトコールの忍容性および安全性は良好であると考えられた。

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