2014 年 2 巻 1 号 p. 74-79
【目的】生体腎移植におけるドナー腎採取術は,ドナーの安全性に加え,低侵襲で整容性に優れていることが重要である。近年では内視鏡下手術が普及しており,ドナー腎採取術の約90%を占めている。さらに最近では,より低侵襲な術式である単孔式腹腔鏡下ドナー腎採取術が試みられており,われわれの施設でもこれを導入したので,その初期経験を報告する。【方法】対象は2012年7月より2013年9月までに施行した全8例。全例左腎を採取した。【結果】手術時間,出血量,温阻血時間はそれぞれ中央値で195分,56mL,181秒であった。術中術後合併症はなく,移植腎機能も良好であった。また,従来の当院での腹腔鏡下ドナー腎採取術と比較して,術後の経口鎮痛剤の使用回数は有意に単孔式手術の方が少なかった(p=0.003)。【結論】当術式は従来の腹腔鏡下手術と比較して手術結果に遜色なく,今後さらに普及する術式となる可能性が示唆された。