2015 年 3 巻 1 号 p. 108-111
低左心機能症例に対して生体腎移植を施行した2例を経験したので報告する。症例1は63歳男性。心筋梗塞の既往があり,2013年には冠動脈バイパス術(Coronary Artery Bypass Grafting:CABG)が施行された。術前の心臓超音波検査で左室駆出率(Ejection Fraction:EF)32%と低左心機能を認めたため,ドライウエイト(DW)およびβ遮断薬の調整を行い,生体腎移植術を施行した。症例2は41歳男性。術前の心臓超音波検査にてEF36%と低左心機能を認め,DWおよびβ遮断薬の調整を行い,心機能が回復してきた時点で生体腎移植術を施行した。2例とも術後大きな合併症なく経過,腎機能の改善とともに心機能の改善を認めた。周術期管理を綿密に行うことで,低左心機能症例であっても安全に手術することができ,さらに心血管合併症の軽減および術後の心機能改善が期待できる。