2015 年 3 巻 1 号 p. 104-107
移植後リンパ増殖性疾患(posttransplant lymphoproliferative disorder:PTLD)は臓器移植に伴う致死的合併症の1つであるが,今回われわれは,腸重積を契機に診断された,回腸原発のPTLDを経験したので報告する。症例は30歳代男性,膜性増殖性糸球体腎炎による慢性腎不全に対して,2001年9月に生体腎移植術を施行された。2008年5月に上腹部不快感が出現,同年10月になり腹痛が出現し,CTを施行したところ,回腸に同心円状の陰影を認め,腸重積と診断,回腸切除術を施行された。病理診断にて,びまん性大細胞型B細胞性悪性リンパ腫と診断された。免疫抑制剤はステロイドの内服のみとし,R-CHOPを6コース施行され,5年が経過した段階で,PTLDの再発はなく,移植腎も生着している。