計算機統計学
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制限付き最尤推定法による平滑化パラメータの選定 : 効率的な計算方式とその適用
坂本 亘
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2003 年 15 巻 1 号 p. 19-45

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抄録

罰則付き接近法の最適解として得られる平滑化スプラインのあてはめでは,滑らかさを制御する平滑化パラメータの値をデータに基づいて適切に選定できれば,非線形構造の診断に役立つブノンパラメトリック回帰の目的である「回帰構造の探索」の観点から,制限付き最尤推定法による平滑化パラメータの選定方式の再検討が必要である.本方式は平滑化スプラインの線形混合効果モデル表現に基づいているが,既存のプログラムを利用する推定値の計算は時間を要する.種々のモデルヘの適用を容易にし推定値を効率良く計算するために,BLUP方程式を利用して,制限付き対数尤度とその導関数が平滑化スプラインのあてはめに適した形で導出される.文献事例への適用の中で,本方式が回帰構造や誤差分散の構造に対する妥当な示唆を与えることが示される.

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© 2003 日本計算機統計学会
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