計算機統計学
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用量反応試験のための逐次型多重比較法の開発と比較研究
中村 智洋道家 暎幸山本 義郎
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2008 年 20 巻 1-2 号 p. 33-47

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抄録
用量反応試験において,用量の増加に伴い,効果が現れる最小用量を検出するための多重比較法がある.この多重比較法は,事前に設定した全ての用量について,得られた全ての観測値をもとに,その検定を行うために用いられる.しかし,各用量での観測値が容易に得られない場合や少ない観測数で早い結論を得たい場合,用量を徐々に増加させ,それに伴い得られた観測値だけで,逐次的に効果最小用量を検出する方式の開発は意義があると思われる.本論文では,各段階で反応の母平均間の対比を用い,反応の変化を逐次的に調べながら,効果最小用量を見つける逐次型対比法を提案する.シミュレーションでは,既に開発されている逐次型Dunnett法と逐次型対比法を検出力に関して比較する.また,事例研究では,コンクリート工学におけるモルタルの流動性に関する用量反応試験に,これら2手法を適用する.
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© 2008 日本計算機統計学会
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