抄録
本研究では,教員の指導力不足問題に着目し,AHPとSEMを組み合わせた指導力評価について提案する.評価には評価者の主観が入ってしまうが,複数の人が同じような評価をすれば,客観的な評価として捉えられる.そのため,複数の回答者の意見を集約する方法としてAHP(Analytic Hierarchy Process)とSEM(Structural Equation Modeling)を用いた.AHPは,主観的判断とシステムアプローチを合わせた問題解決型意思決定手法のひとつであり,少ないデータでも分析を行うことが可能である.SEMは,因子スコアの推定ができ,個々の被験者に対する評価が可能という利点がある.経営者,教員のアンケートは標本のサイズが小さいのでSEMを用いての推定が難しい.そこでAHPとSEMを組み合わせて,経営者,教員,生徒による教員の指導力評価に対するアンケートから,教員を評価する.