抄録
ゲノムデータを扱う解析は,特に2000年前後から急激に活発なものとなり,近年はその提案されたさまざまな手法をまとめあげる解説書も増えてきている.単なるDNAの配列の解読だけでなく,その機能的な意味を求め,特に医療の分野で,ある疾患とDNA配列のどの範囲が関連があるかを探索するポストゲノム研究の時代へ本格的に突入している.これらの解析を行うため,基本的にLinux上で実行するよう,C言語やスクリプト言語を用いたソフトウェアが公開されており,遺伝統計解析を行う研究者はLinux上に解析環境を構築して実践することが常であった.しかし,この2,3年では統計解析者にも馴染みの深いR環境で実行できる遺伝統計解析パッケージが多く提供され,一般の統計関係者に取り組みやすくなってきた.これらの手法・ソフトウェアを紹介するとともに,大規模なゲノムワイドなデータ解析の実例も交えて解説する.