2017 年 30 巻 1 号 p. 3-16
本稿では,順序ロジットモデルにおける平行性仮定の新たな選択方法として,fused lasso に基づくスパース順序ロジットモデリング手法 (SOL: Sparse Ordinal Logistic modeling) を提案する.SOL の正則化対数尤度関数は,複雑かつ微分不可能となる点を持つため,推定アルゴリズムとして交互方向乗数法を用いる.また,モデリングの過程において,正則化パラメータの値が本質となるが,これらの選択を lasso の有効自由度を基とした情報量規準 AIC または BIC により行う.モンテカルロ・シミュレーションおよび実データ解析を通して,SOL の有効性を検証する.